「まほろば」の活動を長く続ける中で次の点が問題になってきたが、下記のように解消できることが分かった。
買取資金問題とゼロ宣言
この削減量は社会的に価値があるので、カーボンクレジット(CC)と して買い取ります。
ただその資金をどう調達するかが問題となります。
そこで、CCを「CO2排出ゼロ宣言者」に活用してもらえば解消できる。
一方人によっては省エネ・節電に努めても、使わざるを得 ない電気・ガス量が出てきます。これはCO2排出温暖化を進めています。
そのCO2量を事務局が買い取ったカーボンクレジットを活用することで、埋め合わせ(オフ セット)することが出来ます。
それにより実質ゼロを実現出来 るのです。
実際、7年前から実施しており宣言者の量が、まほろば全体のCCの創出量に匹敵する量に達していま す。
「CO2排出ゼロ宣言者」の取り組み
日頃使っている電気・ガスは炭酸ガス(CO2)を排出しています。これを減らすために省エネ・節電は有効です。しかし、それでも使わざるを得ない電気・ガスはCO2量を排出し温暖化を進めています。そのCO2量を少しの負担で埋め合わせ(オフセット)することにより実質ゼロにすることができます。未来の子供たちのために、世界の先駆けて「CO2排出ゼロ」を宣言し、実行しませんか?
未来の子供たちのために、世界の先駆けて「CO2排出ゼロ」を宣言し、実行しませんか?
CO2排出ゼロ 宣言方法
- STEP1
- 「CO2排出ゼロ宣言」申込書(下記)で、排出ゼロ宣言をしたい旨を当市民節電所ネ ットワーク(NW)
に申し出て下さい。 - STEP2
- NWと一緒に、あなたの今後一年間の電気・ガス使用量、それに伴うCO2排出量とそれに当たるクレジット量と購入費用を推計します。
- STEP3
-
その推計を参考に、ゼロ宣言するかどうかを決め、正式に「CO2排出ゼロ宣言」を 申し込む。NWが受理することで、1年間「CO2排出ゼロ宣言者」であることを表明できます。
- STEP4
- 省エネ・節電に努め、1年後その間使った電気・ガス使用量とそれによるCO2排出量を確認し、それに当たるクレジット量を購入して頂きます。
CO2排出量、クレジット量と購入費用の推計
- (1) 電気・ガス使用量の電力会社やガス会社からの毎月の支払い伝票から分かります。
- (2) 電気・ガスが排出するCO2量と支払うべき費用は次のように算出できます。
CO2排出量(kg) = 電気使用量(kWh)×0.493+ガス使用量(m3)×2.29
支払うべき金額(円) = CO2排出量(kg)×2
CO2排出ゼロ宣言 申込フォーム
長期間取り組みの壁、解消
市民節電所に取り組んで2年、3年と経つと、「やることが尽き、活動を続けることが難しい」という意見が出てきます。
そこで、「まほろば」のデータを見てみましょう。対前年の変化を見ると第1期は増加したが、その後第 5期を除いて削減しています。
実質量で見るともっと明らかで、第1期から順に、2.1トン減、25.6トン減、 30.2トン減、9.9トン減で, 第5期は14.1トンの増加、第6期は14.5トン、7期は4.6トンの削減です。
これにより、長期間取り組みの壁はあったとしても、クリア出来ないほどではないと言えます。
- 2年以上の連続削減も可能
- 1年間の取り組みで電気・ガスの使用量を減らしCO2排出量を削減した節電所に1 kgあたり 2円を当ネットが支払うことを協定で決めている。その成績は、多くの節電所がお金を受けとった。実際の金額は少ないが、価値があると評価され励みになっているようで、2年連続削減が5節電所、さらには3年連続削減が4節電所ある。
- 長期間の取り組みでも問題ない
- そこで活動をスタートからの期間ごとに、CO2排出量と原油換算値で見てみる。
1.CO2排出量の変化
この数年をみると、ガスの排出係数は一定だが、電気のそれは表1のように大きく変化している。どの年の係数をとるかでCO2排出量が変わる。そこでその変化を排除するために、この5年間の平均値0.453で一定とし、活動を始めた年ごとの対前年変化量を計算する。
1年目は図10のグリーンの帯の集まり、2年目は同ライトブルー、3年目はオレンジ、4年目はブルーの帯に当たる節電所合計の変化量を計算したのが、グラフで、2年目も3年目も、4年目も1年目を上回り削減できている。さらに数値を見ると、1年目は0.1トン増、2年目は2.1トン減、3年目は2.8トン減、4年目は4.0トン減となり、総計で8.9トン削減と、年々削減量を増やしている。言いかえると、2年目、3年目、4年目の壁は出ていないと言える。
原油換算値の変化
これまではCO2排出削減量で見てきたが、エネルギー削減量として原油換算値で見る。この数値は電
気もガスもエネルギーなので、同じ単位で比較でき、使い勝手が良い数値と言える。
結果は上記の通りで、上のCO2排出量変化と同じ傾向を示す。
スタートした1年目は1.1%増加したが、2年目以降は減少し、その削減率は2年目0.6%、3年目0.9%、4年目3.2%となった。
4年間では1.1%の削減率で、削減量は原油換算値で5.4kl(キロリットル)、200リットルのドラム缶で27本の削減であった。
コロナ禍と省エネ・節電
「まほろば」ではスタートして4年間は、CO2 排出量を順調に削減してきましたが、5年目に 入って様相が一転し増加に転じ、また削減基 調になっています。
この原因は何か? 20年3月~21年2月の月ごとの国内のコロナ感 染者数変化と「まほろば」全体のCO2排出増加 量の変化を1つのグラフで示したのが右図で、非常に似た動きをしています。
両者の関係を数値で見ると、相関係数は約0.7 と「かなり相関性がある」ことが分かります。
このことは、「まほろば」の参加者がコロナ感染 者数の変化を見て、行政の指導に従い、自粛 やテレワークに務めたため、CO2排出量を増やしたと考えられます。
「まほろば」の活動が参加者の自主 性に委ねているためとも言えます。
まほろばの外部評価
さらに後継表彰の脱炭素チャレンジカップ2020、2021、2023と24で奨励賞を4回受賞。
環境省のグッドライフアワードでは実行委員会特別賞を2015,16,17年の3年連続で受賞。
2018年度奈良県「かしこいエネルギーの使い方」優秀賞を受賞 学会での評価 環境経済・政策学会年大会で発表 学術誌への投稿